コンタクトレンズによる
アレルギーと眼外傷

 コンタクトレンズ(以下CLと表記す。)の歴史はかの有名なレオナルド・ダ・ヴィンチに始まり、現在に至っている。現在CLの使用者は1,500〜1,600万人ともいわれている。役10人に1人が使用していることになる。CLが視力不良者の「quality of vision」向上させている事は紛れもない事実であるが、反面多くのCL障害が発症している事も無視する事は出来ない。

 CLは眼球の表面を覆っている涙液に浮いた状態で角膜上にあり、瞬目により上下に運動している。目が健康で、CLの手入れも十分に行われていれば、特に問題は起こらない。しかし、種々の原因で外傷やアレルギー疾患を発症している。

《CLによる眼外傷およびアレルギー》

1)外傷性障害

角膜ビラン

角膜ビランは通常角膜の酸素不足によって起こります。
CLの洗浄不良、長時間装用などが原因となります。
角膜ビラン・軽症角膜ビラン・重症
軽症・重症


角膜上皮剥離

CL装用したまま就寝した例(写真左)。緑色の部分は上皮がはがれて傷になっている。加療して3日目(写真右)。治療により傷の部分が縮小



  「浸潤」・「血管新生
浸潤血管新生
12時方向の角膜に灰白色の混濁と、同部の結膜(しろめ)の充血がみられる(写真左)。結膜の血管が角膜に進入している。この方はCLの装用を中止した。(写真右)


角膜潰瘍

中央の緑色に染まっている所が潰瘍。酸素不足により発症するが、細菌感染の場合もあるので注意が必要。
角膜潰瘍


角膜浮腫」・「角膜混濁
角膜浮腫角膜混濁
異物感があるという事来院、角膜中央部に浮腫と結膜の充血を認めた。感染防止のため直ちに抗生物質の投与(点眼および内服)を実施した。治療後、角膜の浮腫、結膜充血は回復したが、角膜中央部に混濁を残した。視力は0.02まで低下してしまった。混濁が完治する事はないので、角膜移植を勧めた。


2)アレルギー性障害

巨大乳頭性結膜炎

巨大乳頭性結膜炎
 ソフトCLのケアが悪く、汚れや蛋白が沈着した時に発症する事が多い。
 結膜に大きなブツブツ(乳頭増殖)が出来る。また粘液性分泌物が増加し、レンズが上眼瞼吸いつけられて、上方に持ち上げられる。
    (1)連続装用を止める。
    (2)煮沸消毒をコールド消毒に変える。
    (3)従来型のレンズから使い捨てCL(またはハードCL)に変える。
上記に加えて、抗炎症剤の投与を3ヶ月〜半年間必要である。

これらの原因として学問的には以下の事が指摘できる。

CL障害の2大原因
    1)メガネを持っていない(持っていてもかけない)。
      目の調子が悪い時はメガネに切り替え治療に専念するのが原則であるが、今までも何でもなかったからと安易に考えてCLを装用する方がいます。これがCLの事故につながります。

    2)定期検診を受けていない。
      特に問題がなくても3ヶ月に1度はチェックするのが原則です。CLの微細な汚れやキズ、目の障害は自分でチェック出来ません。3ヶ月に1度の検診があれば、ごく早期に病的な変化が分かります。下図はソフトCLが矢印(▼)で示した部分で断裂しているのを示している。もちろん本人は気が付いていなっかった。

その他に、洗浄不良、装用指導不良、材質劣化、処方不良、消毒不良、長時間装用等が挙げられているが、上記の1)、2)でほぼカバー出来る内容である。これらのCL障害は、CLの供給の多くが眼科医を通さずに行われていて、CLの取り扱いも含めて、事前のチェックや説明、事後の管理を十分に受けていない事が主たる原因と考えられる。
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