手術について

当院で実施している主な手術は以下の通りです。

01.白内障(はくないしょう)・眼内レンズ挿入術
02.翼状片(よくじょうへん)手術
03.麦粒腫(ばくりゅうしゅ)・霰粒腫(さんりゅうしゅ)手術
04.結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)手術
05.眼瞼下垂(がんけんかすい)手術
06.レーザー手術
 (1)糖尿病網膜症
 (2)網膜中心静脈分枝閉塞症
 (3)閉塞隅角緑内障
 (4)網膜裂孔
 (5)中心性漿液性網脈絡膜症性
07.他院にて加療をお願いする手術



01.白内障・眼内レンズ挿入術
    濁った水晶体を取り出し、眼内レンズを挿入します。最近技術の進歩により、非常に安全で確実に実施出来るようになってきました。

    当院では、3.5〜4ミリの切開創で手術を実施し、6ミリのアクリル製眼内レンズを挿入します。創が小さいので日帰りで実施することも可能です。

      ***出血する手術***
      白内障の手術には、角膜(黒目)を切開する方法(出血しない)と強膜を切開する方法(出血する)があります。いずれの方法も長所、短所があります。その長所、短所を検討した上で、当院では出血する手術を選びました。

      出血する手術の長所は、第一に感染が少ない事が挙げられます。これは血液の中に細菌を殺す成分があるからです。第二に、出血は創を早く癒着させます。血液には粘っこく固まる性質があるからです。見た目は真っ赤で良くありませんが、結構良い事もしているのです。出血は2週間で消失します。
手術後の過ごし方
    (1)手術当日
    手術直後より、水分はすぐお飲みになって結構です。その他の食物は、1時間位してからの方が良いでしょう。

    手術直後より、座位になってけっこうです。トイレへ行く場合は、必ず付き添って下さい。

    (2)手術翌日〜3日
    なるべく安静にしていただきますが、座位、歩行も許可されます。テレビは疲れない程度にご覧下さい。腹ばい、うつぶせはやめましょう。電気かみそりによるひげ剃りは可。

    洗顔は禁止。手術した目に触れないように、しぼったタオルで顔をふくくらいにしておきましょう。首から下のシャワーが許可されます。ただし、シャワーの使用法についてナースの指導を受けて下さい。

    (3)手術後4日〜14日
    洗顔が許可されます。目をしっかり閉じて、そっと洗いましょう。入浴はできますが、首から下のシャワーにしておいて下さい。洗髪は美粧院で仰向けになって洗ってもらって下さい。

    室内では、眼帯をはずしてもかまいません。寝る時は、ちゃんと眼帯をしてから休んで下さい。1週間に一度の通院加療が必要です。

    (4)手術後14日〜1ヶ月
    洗髪、洗顔、入浴などの制限がなくなります。

    軽い運動(大汗かかない程度)は良いでしょう。ただし、重い荷物を持ったりするのは止めましょう。

    眼帯を止める時期を相談しましょう。1週間に一度の通院加療が必要です。

    (5)手術後1〜2ヶ月
    原則として、制限はなくなります。ただし、草むしり、ぞうきん掛け、マラソン、重い荷物を持つなど、強い運動は医師との相談のうえ決めましょう。2週間に一度の通院加療が必要です。
普通は、上記のような経緯をたどります。しかし、人は皆色々な特長を持っています。多少上に書かれたことと違う場合もあります。そのような時は、医師から説明があります。

こんな時はすぐ来院して下さい(危険信号です)。
    (1)見えにくくなった
    (2)眼の痛みがつづき、ひどくなった
    (3)眼が充血する
    (4)まぶたが腫れだした
    (5)目をぶつけた
    (6)吐き気がする
上に書いてある注意点は、大事な事ですのでよく頭にいれておいて下さい。それ以外にも何か変だなぁと思われる事がありましたら、すぐに来院して下さい。

もっと詳しく知りたい方は「眼科手術開業医の会」をご覧下さい。

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02.翼状片手術
    沖縄は全国的に見ても、翼状片の発生率が高い地域です。原因は良く分かっていませんが、陽射しの強い地域に多く、また家族内発生も多いと言われています。白い膜状の物が黒目に入り込んで来ますので、鏡を見たら分かると思います。

    治療は手術するしかありません。当院の手術成績は、初回の手術に限りますとほぼ100%(年間1〜2例の再発があります)です。しかし再発例は手術成績が随分悪くなります。そのような場合には、特殊な薬剤、放射線などを使用する事もあるようです。最近は羊膜の移植が有効であるとの報告もあります。

    (1)翼状片(1) (2)翼状片(2)
    (1)眼の中心にくると視力障害やその他いろんな問題がでてきます。
    (2)これくらいになれば、そろそろ手術を考えたほうが良いでしょう。

    (3)翼状片の術後
    翼状片の術後
    (1)で示した翼状片の術後。角膜に白い混濁が残りました。
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03.麦粒腫・霰粒腫手術(ものもらい)
    麦粒腫は細菌感染による急性の炎症です。瞼が赤く腫れて痛くなります。発生してから1週間位までは抗生物質が良く効きますが、それを過ぎると薬の効きが悪くなります。

    霰粒腫は慢性の炎症です。赤く腫れる場合もありますが、普通痛みはありません。薬(抗生物質、抗炎症剤)が効く事もありますが、手術になる場合もあります。

    (関連:掲示板[4],[6],[7],[8]
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04.結膜弛緩症手術
    白目(球結膜)の膜がゆるんで皺を作ると、涙の流れが皺によって障害され、強い異物感、まぶしさ、流涙などを訴える場合があります。そのような場合、余分な結膜を取り除いてやると上記の頑固な症状がとれてきます。

    この方法は最近提唱されたもので多くのデータはありませんが、慢性の不快感を訴えておられる方には有効のようです。
    結膜弛緩症
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05.眼瞼下垂手術
    眼瞼下垂には、その原因により治療法は異なります。当院で実施しているのは主として老人性眼瞼下垂と呼ばれるもので、上眼瞼を引き上げる力が弱くなって、上眼瞼が下がってきます。

    治療法としては、上眼瞼を引き上げる筋肉を縮小して、引き上げる力を強くするものです。
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06.レーザー手術

レーザー治療は色々な疾患に利用されていますが、当院で実施している項目についてのみ説明致します。

レーザー光線による治療は眼科の検査治療の中でも点数が高く、自己負担も多くなる事をご了承下さい。

レーザー治療   3割負担   2割負担   1割負担
    通常  32,400円  21,600円  10,800円
    特殊  64,500円  43,000円  21,500円
(上記は、片眼の負担額です。両眼は2倍になります。)

    (1)糖尿病網膜症

    糖尿病網膜症には、病期による色々な分類がありますが、単純に以下の3期に分けた方が分かりやすいと思います。

    1:単純(たんじゅん)網膜症期
      単純(たんじゅん)網膜症 初期の網膜症の事です。自覚症状は全くありません。眼底検査以外に状況を知る方法はありません。眼科的には経過観察を行い、治療は血統コントロールが主体となります。

      眼底に点状の出血や毛紬血管瘤(血管のこぶ)、硬い感じの白斑が認められます。糖尿病のコントロールが良くなると回復します。

    2:前増殖(ぜんぞうしょく)網膜症期
      前増殖(ぜんぞうしょく)網膜症 単純型と増殖型の中間に位置する時期です。眼科的にはこの時期の治療が最も重要で、有効です。

      点状、線状の出血(黒矢印)、軟らかい感じの白斑(白矢印)が認められます。病巣は網膜内に限定されますが、血管が閉塞(無血管野)したり、血管の異常が見られます。

      増植網膜症(悪性)に移行し易い状態になっているので、レーザー治療が必要です。

    3:増殖(ぞうしょく)網膜症
      増殖(ぞうしょく)網膜症 眼内の血液の循環が極端に悪くなり、視力、視野の異常を自覚するようになります。この時期になりますと、糖尿病のコントロールが良好でも網膜症は悪化して行きます。厳重な眼科的管理、治療が必要です。

      病気が網膜内に留まらず、硝子体に波及したものです。新生血管(病的な血管で出血を起こし易い)、硝子体出血へと進展し、緑内障や網膜剥離を発症し、失明に至る場合があります。

      徹底的なレーザー治療が必要です。硝子体手術が必要になる場合もあります。

    (2)網膜中心静脈分枝閉塞症

     動脈と静脈の交差部で網膜静脈の分枝が閉塞し、その分枝支配領域に出血や浮腫をきたすもので病変の部位によっては全く無症状に経過することもあります。黄斑部やその近傍に出血や浮腫をきたすと、視力障害、暗点(視野の中の見えにくい部分)があります。一般には黄斑浮腫(物を見る中心部が腫れる事)と新生血管(病的な血管で出血し易い)の防止が治療の主体となります。
     病状が軽い場合は、薬物で経過観察を行いますが、悪化する場合(黄斑部の浮腫が強い場合や血管閉塞部が広い場合は合併症を起こしやすい)はレーザー光による網膜光凝固や硝子体手術が必要になることもあります。下記のの眼底写真(1,2,3,4の順に時間経過を示す)は、黄斑部に浮腫を来したため、レーザー光凝固(症期に合わせて、2回実施)を行い、薬物療法により経過を見た患者さんです。出血、浮腫は減少し、視力に殆ど影響の出なかった幸運な症例です。
    網膜中心静脈分枝閉塞症

    (3)閉塞隅角緑内障

    急性緑内障発作を発症する場合があります。強い眼痛、頭痛に加えて視力障害、悪心、嘔吐が生じます。眼科救急疾患の一つで、適切な処置がなされないと失明する場合もあります

    以前は、経過観察を注意深く行うしかありませんでしたが、最近はレーザーを使用して、虹彩に小さな穴を開け、水の流れを良くする事により、発作が予防出来るようになりました。

    (4)網膜裂孔

    網膜裂孔とは、網膜にできた破れ目の事です。このような破れ目ができると、時として網膜剥離に進展する場合があります。網膜剥離は通常手術が必要ですし、確率は少なくても失明する可能性のある疾患です。
    網膜裂孔
    剥離を起こしていない裂孔の段階でレーザー光線による擬固治療を実施したほうが良いとされています。

    (5)中心性漿液性網脈絡膜症
    central serous chorioretinopathy

    視界の中央が丸く薄暗く見える。」と言う訴えで来院する方がおられます。だいたい30〜40代のストレス抱えている男性に多く発症します。2〜3ヶ月で自然治癒事が多く、良性の疾患です。しかし似たような症状の病気も多く、中には重篤な視力障害を発症する病気もありますので、厳密な鑑別診断が必要です。

    図1《症状》
    図1 中心性漿液性網脈絡膜症《症状》
    右図1(→)で示すように円形の黄斑部を含んだ網膜の浮腫を認める。この網膜の浮腫のためものが小さく見える(小視症)、ものがゆがんで見える(変視症)、視界の中央が円形に薄暗く見える(中心暗点)という症状が起こります。この3症状が病気の特徴です。さらに加えて、遠視化する場合、視力低下を来す事もあります。

    図2《診断》
    図2 中心性漿液性網脈絡膜症《診断》
    右図2は図1の患者さんに対し、蛍光眼底撮影を実施したものです。中央付近に見られる噴水状の蛍光漏出(→)が特徴です。

    図3《治療》
    図3 中心性漿液性網脈絡膜症《治療》
    中心性漿液性網脈絡膜症性は放置しても相当な確率で自然治癒します。しかし、黄斑部の浮腫を長期間にわたって放置すると後遺症が残る事もあり注意が必要です。
     薬物療法:通常循環改善剤やビタミン剤、消炎剤の服用により回復する場合があります。
     レーザー光凝固術:蛍光眼底撮影で確認した液体の漏出点(図2)にレーザー光を照射しました。レーザー光により同部の細胞が凝固され、液体の漏出が止まり、黄斑部の浮腫が図1に比し、小さくなっています(図3)。ただしレーザー光も完全ではなく、漏出点が黄斑部の中心にある場合は処置が出来ません。また漏出点が見つからない場合もあります。
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07.他院にて加療をお願いする手術

(1)緑内障手術

琉球大学眼科の澤口昭一教授は縁内障がご専門で、その実績は国内のみならず、海外でも高く評価されています。

先生が赴任なさる前までは、全てのタイプの慢性緑内障の手術を当院にて実施していましたが、今では急性緑内障のみ実施し、それ以外のタイプは全例澤口先生にお願いしています。

(2)網膜硝子体手術

網膜硝子体手術は、主として黄斑円孔、網膜剥離、糖尿病網膜症、網膜中心静脈分枝閉症の重症のものに実施され、従来回復困難だった疾患にもその効果が示されています。

当院では、琉球大学眼科早川和久助教授、中部眼科の根路銘恵二先生にお願いしています。

(3)小児の手術

小児の手術は検査も困難で、実施に際しても全身麻酔が必要な場合が多く、当院にては実施しておりません。

信頼できる眼科医のいらっしゃる近くの病院を紹介しています。

(4)屈折矯正手術

この手術はエキシマという特殊なレーザー光線を使用して角膜を薄く削り、近視を矯正します。米国、韓国では盛んに行われています。当院では実施しておりません。

現在県内では糸満市安里眼科の安里良盛先生が熱心になさっておられますので、そちらへ紹介しています。詳しいことは、安里眼科ホームページを参照して下さい。

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